マンション管理組合の”身近な町医者”のように…

マンション管理の兵法書


1.「戦わずして、勝つ」 孫子の兵法
 
総会などで住民の意見を聞いていると、時として「何のために、あの人はあのような意見を言うのだろうか?」と思うことがある。その主張が「共同の利益を増進」するためであったり、「良好な住環境を確保」するためであったりするのであれば、その意見は総会での意見発表としてふさわしいと思う。しかし、そうではなくて、なぜか枝葉末節にこだわり、単に”議論に勝つための議論”を展開しているように感じられることがある。

例えば、過去に規約改正をした時の議事録を引っ張り出して、何やら些細なことに対して、「規約に瑕疵がある」と主張する場合がある。瑕疵があるのであれば、そのために何か手当てをして、瑕疵のない規約にするための意見を言うのかと思えばそうではなくて、「この規約は無効だ」とだけ主張する。その結果が住民のために良くなる話でもない。とにかく無効にしたいだけのようである。
よく状況を調べてみると、規約改正をした時の役員が気に入らないといった単純な場合や、自分が規約違反をしているために、その裏返しに「規約が無効である」と言っているに過ぎないという場合が多い。

このような時にその者と、規約が無効か有効かを争ってもあまり意味がない。過去に遡って批判する材料を探して争っているようなことでは、前向きな議論ができるわけがない。ここで、いくらその者を説得しても、それは無理な話だ。なぜなら、どんな説明も聞く耳を持たなくなっているからだ。だから
このような場合は、その者と議論するのではなく、その者以外の全員によく実態を理解してもらうことが大切です。この例の場合は、現行規約を全員に配布し、その内容をよく認識していただくことが何よりも大切だと思います。

これが孫子の兵法の
”戦わずして、勝つ”方法だと思います。同じ建物、あるいは同じ団地に住んでいる者同士です。永住したいと考えてマンションに住んでいる人たちも多くなりました。出来ることなら、”戦わずして”解決したいものですね