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2.「彼を知り己を知れば、百戦して殆(あや)うからず」
マンションの管理について、以前は周りからの情報がほとんどありませんでした。なぜなら、マンションは私有財産であり、その維持・管理はそれぞれの管理組合の自由に委ねられていると考えられていたからです。これは、管理組合にとって、いわゆる”鎖国”の状態のようであったと思うのです。「マンションの管理の適正化の推進に関する法律」(いわゆる「マンション管理適正化法」)が平成13年8月に施行されましたが、このころからマンションの管理はいかにあるべきかが、国によって鮮明にされてきたのではないかと思います。今や、国民の約1割がマンションに居住するようになったことから、国もマンションの管理の適正化に力を入れるべき時と、判断したようです。
まず、管理組合の運営や管理に関して、管理組合等からの相談に応じ、助言、指導、その他の援助を行う”マンション管理士”を誕生させました。そして、それまでは野放し状態であったマンション管理業者を登録制にしたり、そのマンション管理業者の中に、一定数の管理業務主任者を設置するよう義務付けました。
さらに、国は「マンション管理適正化指針」を定め、適正化の推進を図りました。その中の一つとして、国や地方公共団体及びマンション管理適正化推進センター(公益財団法人マンション管理センターが指定されております)は、その役割に応じ、必要な情報提供等を行い、支援体制を整備・強化することが必要であると述べています。そして、マンションに係る相談体制の充実を図るよう努め、管理組合の管理者等に対する積極的な情報・資料の提供を行う等の必要性を指針で述べております。まだまだ十分とは言えないかもしれませんが、こうした国の姿勢に対して、管理組合が活用しない手はありません。
公益財団法人マンション管理センターのホームページを開いてみますと、色々なセミナーの案内、図書の案内、さらには「Q&A」なども記載されており、さまざまな質問にも答えていただけます。また、「マンションみらいネット」というシステムも用意されております。
それぞれの管理組合で日夜頑張っておられる役員様! 国の示す適正な管理とはどのようなものか、他の管理組合はどのように活動しているのかなどを、広く目を向けてみませんか? 情報を入れずに、我流で活動をしておりますと、つい主観的な、そして一面的な判断で管理組合を間違った方向に導いてしまうことも考えられます。ここは視野を広げるためにも、こうしたセンター等を活用してみることを検討してください。
さらには、人間のことですから”思い込み”等の間違いもあります。そのためには、戦国の武将が常にすぐれた軍師を傍に置いていたように、マンション管理士を顧問として活用することをお薦めします。
”彼を知り己を知れば、百戦して殆うからず”の言葉のように、何か新しいことを進める時には、正しい知識と判断力を身に付けた軍師のような補佐役が必要となります。あなたは、それでも軍師なしで戦いますか?
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