マンション管理組合の”身近な町医者”のように…

マンション管理の兵法書



14.「唯一生き残るのは、変化できる者である。」

これは進化論を唱えたダーウィンの言葉である。「最も強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き延びるでもない。」がこの前にあって、「唯一生き残るのは、変化できる者である。」というこの言葉が続きます。

マンション管理組合の大きな悩みの一つに、「役員のなり手がいない。」があります。確かに住民は高齢化しており、元気な役員候補が少ないかも知れない。…だが、まわりをよく見ると、”団塊の世代”がいるではありませんか! 定年を迎えたり、もうすぐ定年の方々がこれから多くなります。これらの”団塊の世代”こそ、永年の日本の年金制度を支えてくれた人たちです。「これからの年金制度の維持が大変だ」と言う前に、この恩恵を忘れてはなりません。(実は私もこの世代の一人ではありますが…)
さて、この世代の方々に、もう一働きしていただきたいのです。会社を離れて、自分たちの住むマンションや周りの地域に目を向けてください。いろんな問題が山積されています。これに目をつむっていては老け込んでしまいます。貴方の健康のためにも、社会のためにも、お役に立っていただきたいのです。定年後に大切なことは、「キョウイク」と「キョウヨウ」だそうです。「今日行く所がある」と「今日用事がある」という毎日を送っていますか? まだ若い! ”会社から社会へ”飛び出してみようではありませんか!
ここで一つ、忘れてはならないことがあります。
マンション管理組合は、会社のようなピラミッド社会ではありません。人と人との平等な社会です。「理事長」になったからと言って、偉くなったわけではありません。理事長の権限と義務は、管理規約に書かれていることだけです。「以前は〇〇部長をしてまして…」とか肩書きは一切不要です。命令口調や上から目線では、嫌われます。会社人間が管理組合活動に首を突っ込んだ結果、これが一番懸念される落とし穴なのです。”会社から社会へ”の変化が出来なければなりません。